にっし~の日記

発達障害のにっしーが思ったことを綴っていくブログ

発達障害サバイバルガイドを読んだ感想1 生活習慣の改善案が書かれた本

発達障害サバイバルガイドを読んだ感想
 
借金玉さんが書かれた発達障害サバイバルガイドを読んだので感想を書いていきたい
 
 
 

概要

この社会において発達障害の人がこの先生きのこるためのサバイバル術が書かれた本
生活環境、お金、習慣、在宅ワーク、服、食事、休息、うつ8つのジャンルについて、当たり前のことすらできない発達障害の借金玉さんが、どうやったらできるようになったのか?という手法が書かれている
 
発達障害の人は「他人とうまくコミュニケーションがとれない」「特に会社でのコミュニケーションに難がある」ということで悩んでいる人が多いだろうが、
そういう会社でのコミュニケーション術みたいなものは、借金玉さんはすでに別の本で書かれておられるそうだ
 

 

 今回のこの本は、「生活環境」「お金」「習慣」「在宅ワーク」「服」「食事」「休息」「うつ」の8つの事柄について
特に当たり前のこともできない発達障害の人の一人暮らしでの家での家事をどうこなすか?家での生活環境をどう整えるか?維持するか?という点について約320ページにわたって書かれている
 
このような発達障害の人がこの世で生き残るための、サバイバル術が書かれた本だ
 
 
 
君は生き延びることができるか
 
 
 

感想

発達障害の人の生活習慣の改善案が書かれた本

 
発達障害の人は、障害の特性から仕事でミスが多くて怒られっぱなしだったり、コミュニケーション力の低さから職場での人間関係がうまくいかなかったりして、精神に大きな負担がかかって病んでしまいがちだ。そうなると会社を休職や退職せざるを得なくなってしまう
 
だから会社や職場に発達障害への理解と配慮を求め、特性への理解と配慮がある会社を探して働いていくことが大事である
しかしながら、日本の企業では発達障害への理解と配慮がまだまだ進んでいないので、日本企業や日本社会に発達障害の理解や配慮を求めていくことが大事である。終わり
 
 
 
・・・と言いたいところだが・・・
 
たしかに発達障害への理解と配慮を求めることは大事だが、自分で工夫や努力できることはやっていくことも大事である。
 
では自分で工夫や努力できることとは何か?
 
それは自分の家の整理を進めて、仕事が終わって家に帰ったときにゆっくり休めるような環境を構築していくこと
 
家に帰っても部屋が散らかり放題で、足の踏み場もなかったりすると、変に踏んで壊したりとか、破片が散らばったりしないように、足元に気をつけて歩かないといけない。そういう汚部屋だと家を移動するだけでも、というか家に居るだけで神経をすり減らしてしまう
 
そうなると、家にで食事を摂るにも、着替えて洗濯するとか、風呂に入るとか、そういう家事をするだけでも神経を余計にすり減らしていってしまう
 
また、そのような環境では会社の大事な書類がどっかに行ってなくなってしまうことも増えるので、それを探すのにまた疲れてしまう
 
そうなってくると、会社に行って仕事をして疲れて、家に帰ってまた疲れて、疲れた状態のまま会社に行って仕事してさらに疲れて・・・というのを繰り返すと、いくら仕事ができても体力や気力を消耗しきってしまう・・・
けど家のことはプライバシーの問題もあるから、いくら職場の人とか周りの人が理解や配慮をしようとどうしようもない
 
「たとえばあなたがトイレに行きたくなったなら、自分でトイレに行って用を足すしかない。他の人が代わりにトイレに行って用を足すことはできない。これと同じで古文の勉強も自分でやるしかない。他の人が代わりにやることはできないんだ。あなたがやるしかない」
と昔に大学の厳しい古文の先生に言われたことを妙に頭に残ってるけど(前にも言ったが)
 
これと同じように、家の整理や生活習慣の改善は自分でやるしかない
 
と言っても、発達障害ASDの特性から1つのことに集中してしまって、マルチタスクができず他の家事が進まなかったり
ADHDの特性から、やりたいことだけやってしまって、やりたくないことは後回しにしてしまってそのままやれなかったり
「それよりTwitterのツイートを確認しなきゃ」
と衝動性から別のことを始めてしまって、やるできことができなかったり
そもそも優先順位のつけかたがおかしかったりとかして
やろうとしてもできないのが発達障害だったりするわけだが・・・
 
かと言って家事をやらないと
部屋が片付かない→会社で仕事して、家に帰ってもしっかり休めない→会社で仕事してさらに疲れる→
負のループに陥る
 
 
逆に家での生活習慣のサイクルを上手く回せるようになれば
仕事が終わって家に帰って、洗濯をして、風呂に入って、夕ご飯を食べて、領収書を整理して、洗剤などの消耗品を確認して足りないものは会社帰りにスーパーで買うようにして、ネットやテレビを見てゆっくりして、しっかり寝る
朝起きて、着替えて朝ごはんを食べて準備して、ゴミを出して通勤して
というサイクルをしっかりできれば、ちょっとキツい仕事でもなんとかなる
 
この家事のサイクルを回せるかどうかが重要だ
 
当事者会とかでも
「仕事が上手くいかなくて・・・」
「会社での人間関係が上手くいかなくて・・・」
とか言う人が多いけど、家での生活習慣についてはあんまり言及されないので
そこをどうするか?という点について切り込んだ本だと言える
 
 
まあアイドルでも部屋が汚い人もいるみたいですけどね
 
けど当事者会で
「仕事で上手くいかなくて・・・」
「会社での人間関係が上手くいかなくて・・・」
という相談だと
発達障害への理解や配慮が足りない、上司や会社が悪い!!」
という体にして
「相手が悪い。他人が悪い。こんな悪い奴らに虐げられてる自分はなんてかわいそうなんだ」
と他責にして、傷の舐め合いができるけど
 
 
「家事がうまく回せなくて。家での生活習慣を改善できなくて・・・」
という相談だと
「それは自分でなんとかやっていく、できるようになるしかないよね~」
と答えざるを得ない
そうやって自分が悪い、というか自分でなんとかやるしかないので、他責じゃなくて自責にして、自分と向き合って「なんでできないんだろう?」「どうやったらできるんだろう?」と自分で原因とかを考えて、自分で解決策を探して、自分で解決していかないといけない
 
という、他責とか傷の舐め合いをしたい人にとっては、とても面倒臭いことをやらなきゃいけなくなってしまう。それだと当事者会で他責とか傷の舐め合いをしたいだけの人にとっては都合が悪いので、あえてそういう話題は避けてるのかな?と思わなくもない
 
 
 
おっと、当事者会の愚痴を言ってしまったな・・・
 
発達障害の人が楽しく幸せに生きるためには、障害の特性へ理解や配慮がある仕事をしっかり探して、そういう自分の特性に合った仕事に就くということが大事ではあるけれども
基本的にはやっぱり家に居る時間が一番長いですし、生活の基盤になってくるので、家での生活環境を改善していくことが、人生を楽しく幸せに生きるためには大切