発達障害の人は不安が強い人が多い。
これまでの人生でうまくいかないことが多かったので自分に自信を持てず、「次もうまくいかないんじゃ??」とどうしても不安になってしまう。
また、急な予定変更や変化などへの切り替えができず、不安になってパニックを起こしてしまう。
あるいは、特定のことにしか興味がないので、他のことへの想像する力が足りず、どうなるのか?どうすればいいか?といった想像ができずにパニックになる。
もしくは、白黒思考、「良いか、悪いか」「0か、100か」の2択でしか考えられない二元論でしか考えられないため、「ミスすることは悪いことなんだ。だから絶対にミスしてはいけない」「失敗することは悪いことなんだ。だから失敗することは絶対に許されない」と自分を追い込んでしまう。あとミスしてあとどうなるか、という想像力が働かないために「ミスしたらどうなってしまうんだろう・・・」という恐怖心にさいなまれてしまう。
このように発達障害の人は定型の人より不安に感じることが多く、それで自信をもてなかったり、精神をすり減らして、ときには病んでしまったりしてしまう。
アスペルガーが強い発達障害の人なんかは「もっとこうすべきだろう!」「もっとこうしなきゃダメだろう!」と他の人には強い口調で主張するので、気持ちが強い人だ、と思われる人でも、上記の影響で大したことじゃないことにビビったり、チキンハートと化してしまったりするケースも多々ある。それで「いっつも強い口調で主張してるから強い人かと思ってたけど、なんでそんなことで落ち込んだり、悩んだりしてるんだろう??」と他人から不思議がられることもしばしばある。自分もそうですが。
ただ強さと弱さは表裏一体なところがあって、「もっとこうすべきだろう!」と他人に強く主張していると、もし自分に失敗とかミスがあったときは「人にあれだけ言っておいて、自分はできないのか・・・・・・」とかえって自分を追い詰めてしまうこともあるんで、そこは気をつけたほうがいいですね。
やはり定型の人よりも想像力が低く、また予想外の展開に対応する力も低い。臨機応変な予想外の展開には強いストレスを感じてしまう。これを避けるために、規則的な動きを好むようになる。同じことを繰り返したり、電車のような規則正しい動きをするものに強い興味を示したりする。そうやって同じことしかしない、1つのことだけに興味を持つ、といったことをしてしまう。
ただ毎日同じことをしていても成長は少ないので、変えていく必要はある。だがいつもと違うことをすると強い不安に襲われて、強いストレスになったり、心身が不安定になってしまいがちだ。やはり発達障害の人にとっては不安との戦い方、付き合い方をしっかりしておくことが大事ではないかと思う。
不安への対処
1、明日や昨日のことで悩まない
「明日のことは配慮するべきである。細心の注意を払って計画し準備すべきである。
だが心配するには及ばない」
デールカーネギー『道は開ける』
というデールカーネギーの言葉がある
また"It's no use crying over spilt milk."「こぼしたミルクを嘆いても無駄。」すなわち「過ぎ去ったことはくよくよしてもしかたがない、すんだことを今さら後悔しても始まらない」という英語のことわざがある。
(「覆水盆に返らず」という、これと似たような中国のことわざもある)
以上のように不安なことを悩むとますます不安になるだけでさらに悩んでしまう。「うまくいかなかったらどうしよう」と頭を悩ませていてもしょうがない。また、起こった出来事をいくら嘆いたところで過去の事実は変えられない。不注意で排水口に流したミルクと同じで、人は1分前の出来事だってなかったことにはできない。だから過去のことにクヨクヨ悩んでないで、今の自分のできることは何か、というのを考えていくべきだ。
2、紙に書き出して、解決策を考えること
「マンガでわかるデールカーネギー」という本を前に読んでいたが
ある大学生の女の子が
「学業と家事とアルバイトがどれも忙しくて両立できません。どうしよう、どうしよう・・・」と悩んでいたところ、物知りなおじいさんが
「『どうしよう、どうしよう』と100回言えば、悩みは解決するよ」とアドバイスした
「そんなことやったって悩みは解決しませんよ!」と女の子は怒って反論
「そう、その通り!!悩み事で頭を悩ませること自体が時間のムダなんだよ!」と諭し
「悩みについて一度、紙に書き出してみて
・問題点は何か?
・問題の原因は何か?
・どんな解決策があるのか?
を書きだしていく。そうして解決への方向性を考えるんだ」
と助言される話があった
不安や悩みは、考えれば考えるほど、ますます深みにハマっていくものだ。一回、紙に書きだして、そのうえで解決策を考えていくべきだ。
3、目の前のことに集中すること
2と重複してる気もするが、不安なことをあまり考えないようにして、とにかく目の前のことを集中してやっていくことですね。集中してる間は不安っていうのは出てこないので。
自分のやれることをしっかりやって、それでダメだったらしょうがない、と腹をくくるということも大事ですね。
4、他人と競争しないこと
「自分は定型の人に比べてこれができない・・・」とか自分のできないことを嘆いていてもしょうがない。それよりは自分のできることをしっかりやっていくことですね。「長所を伸ばし、短所を補う」って言葉があるように「短所を補い、長所を伸ばす」のではなくて、まずは長所というか、できることを探すことですね。
丘の上の松になれないなら、
谷あいの低木になればいい。
ただし、小川のほとりにある
最も美しい低木になりなさい。
木になれないなら、
やぶになればいい。
やぶが無理なら
一握りの草だっていい。
大通りに生えて、
楽しくしてやろう。
船員の全員が
船長になれるわけがない。
水夫になる者も必要だ。
一人一人にちゃんと
役割というものがある。
大きな仕事を
やり遂げる者もいれば、
小さな仕事を坦々と
こなしていく者もいる。
それぞれが目の前にある
務めを果たしているんだ。
メインストリートが無理なら、
脇道でいい。
太陽が無理なら、
星になろう。
大きさなんて関係ない。
どんなものになろうとも、
最高の自分になればいい。ダグラス・マロック
人は与えられた環境の中でしか生きられない。その中で自分ができないこと、やれないことを嘆くんじゃなくて、自分のできることを一生懸命にやっていくしかない。何事にも一生懸命に取り組んでいるうちに、道が開けてくることもありますし。
5、自分ルールを崩す
前述したように発達障害の人は予想外の展開に反応する力が弱く、強いストレスを感じてしまうので、どうしても規則的な生活をしてしまう。ただたまには違うこと、新しいことをしてみて「なんだ、いつもと違うことをしても大丈夫なんだな」と少しずつ慣れていくことも大事。
このように自分ルールを崩すことで、新たなものが見えてくることもある。
6、いろんな視点で考える
発達障害の人は特定のことにしか興味を持てない、規則的な同じような生活をしているから、他のことに無頓着だったりするケースが多いので、考えがものすごく狭い人が多いですね。一面的にしか物事を見れないというか、「木を見て森を見ず」みたいな考え方をしてしまったり、「白か黒か」「良いか悪いか」の二択だけの白黒思考、二元論でしか考えられない人が多い。それで「失敗してはいけない」という意識が強すぎて、自分を追い込んで、不安になって精神を病んでしまうケースも多い。
「ミスしてはいけない」「失敗は悪」として、発達障害の人なんかはちょっとしたミスから自分を徹底的に追い込んでしまうケースを多々ある。
そうではなくて、この歌みたいにポジティブにとらえたり、「失敗したけどいい経験になった。次に生かせばいい」とか、いろんな目線で考えていく、多面的に見て考えていくことが大切だと思いますね。ただ急に「いろんな目線で考えよう!」と思っても難しいので、日ごろからいろんな人と接していろんな価値観を見たり、いろんな意見を聞いたりして、日ごろからいろんな目線で見ていく必要があると思いますね。
7、あえて失敗してみる
「失敗してはいけない」という思いが強すぎるので、あえて失敗してみるとこで「なんだ、失敗したところで人生が終わるわけじゃないし、たいしたことないんだな」と失敗への免疫ができてきて、不安もなくなってくることもある。
実際に、潔癖症などの強迫性障害で不潔や汚染に極度の嫌悪感(強迫観念)を持ってしまう人には、カウンセリングなどをしっかり行って治療していくのが普通ですが、あえて荒療治としてトイレ掃除をさせることで治療していくケースもありますしね。
また、失敗することで「これが禁止されてるのは、こういう理由からか」「こうしなさい、と言われるのはそういう事情からか」とか、いろいろと考えられるようになりますしね。発達障害の人は言われたことしか理解できない、行間が読めない人が多いので、そこらへんの問題を解決する糸口にもなりますね。
このようにあえて失敗する方向に行ってみることで、違うものが見えてくることもありますしね。
8、嫌われる勇気をもつ
「周囲の人たちから嫌われないようにするには、常に周りの人の顔色をうかがう必要があります。それでは、“ありのまま”の自分として生きることは難しくなるし、物事の責任を人のせいにしてしまいかねません」
好かれようと思うと、他人の期待に応えようと振る舞ってしまう。その結果、本来の自分を出せなかったり、我慢ばかりが続いたりして、ストレスをためてしまいがちだ。そこで必要になるのが、嫌われる勇気。
「自分の人生は自分だけのもの。人の期待に応えるのをやめ、自分が『人としてこうありたい』と思える行動を取るよう心がけるだけで、自由を実感できる生き方ができる。自分の素直な気持ちや意志を貫く勇気。いい換えれば、それは『幸せになる勇気』でもあるのです」
最近はアドラー心理学の「嫌われる勇気」というのが流行っていますね。やはり「人に嫌われたらどうしよう」「他人から変に思われたくない」とか考えると、いろいろと不安になってきてしまう。それにそう考えていると、いつの間にか「自分が生きたい人生」ではなくて「みんなが考えていることに沿って生きる人生」になってしまいかねない。そうならないためにも、ときには「嫌われる勇気」を持つことも大事ですね。
ただ「嫌われる勇気」といっても、字面だけで捉えて「他人に好かれようとすると疲れるから、逆に他人から嫌われることをやればいいんだ」「自分勝手に好きに生きればいいんだ」とか、そういう意味ではない。あくまでもアドラー心理学の「他者信頼」「他者貢献」「自己受容」の三本柱に沿って生きるべきであって、その過程で「これをやったほうがより他人に貢献ができるんじゃないのか?けどかえって迷惑になったりしたら良くないしな・・・」と思ってためらってしまうことでも、勇気をもって行動するべきである、という意味合いである。
おわりに
いろいろと発達障害の人が不安を解消するための方法をいろいろと挙げてみたが、いろいろ不安をなくすようにいろいろ頑張ってみても、なかなかなくならないのが不安である。
ただなくならない不安との中で、「どうしたら不安がなくせるのだろうか?」といろいろと自分の中で試行錯誤することで、不安に負けないメンタルの強さだったり、人間としての成長がある。極度の心身が不安定になるほどの不安からは逃げたほうが良いとは思うけど、多少の不安だったら「自分が成長できるチャンスだ!」と積極的に取り組むことも、自分にとっては必要なことかもしれない。
自分も今月から新生活を始める予定ですが、嫌な予感とか不安しかなくて悩んでいますね。自分も不安を取り除く方法をこのブログを書きながら必死に探している途中です。いっしょに不安との付き合い方を考えていきましょう。