理解と配慮を得るには面談を利用する
以上のように、障害者雇用において、発達障害への合理的配慮はないと思ったほうがいいだろう。あくまでも障害者での雇用機会があるだけだと思ったほうがいい
ただ、障害者雇用だと面接において、自分の特性についてちゃんとわかりやすく説明できないとまず通らないので、対策は必要だ
職場の人に理解や配慮をしてもらうにはどうすればいいんだろうか
直属の上司の人は、仕事がうまくいかずに一人で悩みを抱え込んで、爆弾を抱えこまないように気にしている
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だから
「何か困っていることはありますか?」
と毎日、面談はしてくれるので、そのときに困っていることを話すといいだろう
「明日の作業はあれが終わったあとで、これを進めるということでいいですか?」
「横須賀営業所の宮崎さんからこういうメールが来ましたので、こういう対応をしました」
といった、仕事の優先順位の確認ぐらいしか自分はやっていないが
最終手段としては、退職をほのめかすこと
自分への合理的配慮をしてもらう最終手段としては、退職をほのめかすことだ
「自分はこういうことで困っています・・・。もしこれに対して、こういう対応をしてくれないのであれば、退職を考えます」
と退職をちらつかせることで、条件を引き出せることもある
ただ、これはギャンブルだ
「退職」という強い言葉を使う分、合理的配慮といった条件も引き出しやすくなるメリットもあるが、いろいろデメリットもある
まずこれを成功させる前提条件としては、もし本当に会社を辞めた場合、会社がすごく困るような存在であること。会社にとって居なくなられれば困れば困る人ほど慰留されるので、条件を引き出しやすい
「権利を主張する前に義務を果たせ」
というか、何かを要求するには、やるべきことはやらないといけない
その場で辞めさせられる可能性もある
「自分はこういうことで困っています・・・。もしこれに対して、こういう対応をしてくれないのであれば、退職を考えます」
「そうですか、あなたが退職されるのはとても残念ですが(棒読み)、退職されるのであれば仕方がありません。ではこの退職届にサインをお願いします。ここでの経験を活かして、次の職場で活躍できれば幸いです。頑張ってください」
と、逆に会社の役に全然役に立っていないような人の場合は、その場で辞めさせられる可能性もある
そこらへんの空気を読み間違えないようにしたいですね
実際、発達障害っぽい人がその場で辞めさせられたのを見たことがある
クローズの仕事で働いていたときに、自分より先に入社していたある先輩がいた。診断を受けていないので断言はできないが、明らかに発達障害の傾向がある人だった
あるときに、ポンプ室で機器の数値を確認してくるようにと、上司からその人へ指示があった。その人は言われた通りポンプ室の機器の数値を確認した。このとき、機器から水漏れを起こしていたことに気づいていたが、上司に報告しなかった
これに対し、上司がその人を咎めると
「えっ?自分はポンプ室の機器の数値を確認するように言われただけです。別に機器から水漏れを起こしていたら言うようには言われていないので報告義務はないでしょ?なんでそんなに言われないといけないんですか?」
と言い返してしまった
「いやいや・・・・・ポンプ室の機器の数値を確認するのは、単に数値を確認すればいいのではない。ポンプ室の機器が異常なく動いているかどうかを目視で確認して、念のため数値も確認することで、ポンプ室の機器に異常がないか確認しているんだよ。だから水漏れとかあったらすぐ報告しないとダメじゃないか
君は言われてないからやらなかった、ってよく言うけど、言われてないことでも自分で考えてできないとこの仕事はダメだよ」
と厳しく注意されていた
これに対してカッとなったのか
「なんでそんなに厳しく言われないといけないんですか?じゃあ自分はこの仕事に向いてないって言いたいんですか?この仕事を辞めろってことですか?」
と激しい口調で言い返してしまった
それに対して上司は
「ああそうだね。君、この仕事は向いてないから辞めたほうがいいかもね。もし辞めるのならば、この退職届に一通り書いてくれ。書き終わったら代わりに部長に提出しておくから、明日からもう来なくていいよ。
はい、お疲れ様。今日はもう帰っていいよ」
という流れになって、正社員だったけどその場で辞めさせられたのを見たことがある
このようにリスクも大きい
ポーカーで言うところのオール・インをやるようなもの
他の人が降りてくれればいいが、相手も勝負に来てそのまま負ければチップを全て失って終わってしまう
これといっしょで
「そうか・・・じゃあ退職届を書いてくれ」
という流れになったら、そのまま辞めさせられて終わってしまう
他にもリスクはあるので、あくまでも最終手段
あと、前提条件として、もし本当に辞めたとしても、実力やキャリアがあってほぼ同じ条件で別の会社へ転職できそうなこと
もし、ここを辞めたら、あとは就労継続支援ぐらいしか行けなさそうな場合は
「でも君はここを辞めたら、どうせ他に行くところがないでしょ?」
という風に足元を見られると、交渉で不利になりやすい
仮にこれを成功させて、無事に合理的配慮などの条件を引き出せたとしても
「この子は仕事をすごく頑張ってくれているから、正社員に登用したり、上の役職へ昇進させようかな?けど、以前に退職をほのめかしていたこともあったし、昇進後に急に退職されたら困るしなあ・・・。やっぱりやめておこう」
と会社の人に思われて、昇進しづらくなる可能性もある
辞めることを前提に人材配置されることもある
このようにハイリスクではあるので
「このまま待遇が改善されないんなら、この仕事をマジで辞めてやる!」
と思ったときのあくまでも最終手段としておこう