にっし~の日記

発達障害のにっしーが思ったことを綴っていくブログ

就労移行支援事業所について 総評

 

一般枠で働けていた人は来る意味がない

 
 
 

個人的な体験談

 
結論から言うと、就労移行支援事業所はまともに就労できない発達障害の人が、徐々に心身を慣らしながら、なんとか障害者枠でどこかに就労したい人向けの場所
 
一般枠でそこまで問題なく働けていた人は、就労移行支援事業所に来ても特にやることはない。利用者数が増えれば利益も増えるので、就労移行支援事業所は歓迎はしてくれるが、はっきりと言ってほとんどやることはない。
 
 
「就労移行支援事業所で頑張ったこと、成長できたことはなんですか?」
と、もし自分が聞かれたら、
「SPIの勉強と、MOSの勉強を進められたことです」
と答える
「でも、ぶっちゃけそれって独学でもできますよね?(MOSの勉強をするのに、マイクロソフトオフィスの導入、MOSのテキストを買ったりと初期費用がかかるが)家でできますよね?わざわざ就労移行支援事業所に行く必要ないですよめ?」
と聞かれたら
「はい、そうですね・・・」
と答えざるを得ない
 
 
 
ビジネスマナー講座は役に立たない。一般枠でそこそこやれていた人間ならある程度わかっていることなので、受ける価値なし
 
一般枠でそこそこやれる人ならば、特性も軽いので軽作業も清掃も一通りできてしまう
 
履歴書添削と面接対策はなんだかんだでそこそこ役に立ったかな
 
あとはSPI対策とMOS資格取得に向けての勉強を日々になる
 
グループワークと、たまに利用者の人と話すのは息抜きにはなったかな
 
 
 

自分が就労移行支援事業所を辞めた理由

 
 
3ヶ月ぐらい経って、朝から晩までMOS対策の勉強をやっていたとき、月に1回のスタッフとの面談で
「作業風景を見ていると、君にはこういう特性がある。これを直さないと入社してから人間関係で揉めてしまうだろうから、企業では長く働けないよ?」
と言われてしまった
 
「はぁ?一応、自分は一般枠で1年半ぐらい勤めていて、人間関係で揉めたわけではないんですけど?むしろ退社すると言ったときに、上司に居酒屋まで連れて行ってもらってかなり止められたんですけど?なんでそんなことを言われないといけないんですか?
就労移行支援事業所では積極的にプログラムに参加したり、いろいろ係とかも問題なくやってるのに、マニュアル改善もやったから、褒められて良い就労先を紹介してくれると思ったら、逆にこの仕打ちか?なんだこれ、就労移行支援事業所のためにいろいろやってきたのがアホみたいだ」
と腹が立った
 
というのもあるけど、どちらかというと
「利用客にこんなことを言うなんて、なんかおかしいな」
と思ったので、いろいろ調べたら
「ああ、なるほど、こういうことね。障害者のことを金づるとしか思ってないわけね。この銭ゲバ偽善者め」
ということがわかった
 
 
ただ、月に9300円かかるが、昼食付きの自習スペースだと割り切ればそこそこ有用なので、辞めるかどうかは迷った
とりあえず、あの面談で精神的にしんどくなったということにして、2週間ぐらい休んで、家で勉強することにした
 
すると、わざわざ就労移行支援事業所まで行くより、家で勉強したほうが効率が良いことに気づいた。もはや就労移行支援事業所行く理由がないので辞めた
ただ、一人暮らしだと誰とも話さず、朝から晩まで孤独に努力することになるので、孤独に一人で頑張れる人にしか向いていない
 
 
 
 
 
 

就労移行支援事業所への個人的な感想

 
 
 
ここまで就労移行支援事業所にボロカスに書いていますが、個人的には行って良かったとは思う
就労移行支援事業所に行ったのをきっかけにして、必死にやったことですごく成長はできたとは思っている
 
自分はもともと昔から勉強が大嫌いで、家で勉強が全然できない人間だったので
「独学でMOS資格を取ろうとしても、家で勉強できないからダメだろうな。就労移行支援事業所で勉強するようにしたらできそう」
という考えから就労移行支援事業所に通った。そこで必死に勉強した結果、それからは家でも結構勉強ができるようになった
 
履歴書も面接も全然できていなかったが、就労移行支援事業所で添削を受けてある程度はできるようになった
就労移行支援事業所を辞めて、独学でMOS資格などを取ってから、転職エージェントさんと本格的に転職活動を進めたけれども、就労移行支援事業所で多少は履歴書や面接対策をしていたことが役立った。就労移行支援事業所で就活の基礎を固めていたので、スムーズに就職活動に入ることができた
 
就労移行支援事業所ではいろいろ軽作業や清掃もやったが、そこでやった経験によって多少は成長することができた
 
このように、3ヶ月ぐらい必死にやったことで、すごく成長できた部分はあったので、行って良かったとは思う。やはり、人生で大事なことは、環境がどうとかではなくて、自分で決めたことを必死にやることなのかもしれない
 
 
 
 
 
 

就労移行支援事業所にみんな行くべきか?

 
 
ただ他人に勧められるかどうかというと微妙ですね・・・・
短期離職を繰り返していて、まともに仕事が続かない人であれば、いったん就労移行支援事業所で自分の特性を把握し、じっくり長く働ける力をつけてから、就労するというのは最適解だとは思う
 
定型の人が就労する難しさは、ゲームのRPGでいうとドラクエやFFやテイルズぐらいの難易度なので、うまくいかなくても、なんとか頑張ればクリアできる難易度なんで、頑張ればできる
 
 
ただ、発達障害の人が長期就労を実現をするのは、FC版ドラクエ2、ロマサガ女神転生シリーズ、下手をすると星をみるひとをクリアするぐらいの難易度なので、まずは就労移行支援事業所でのレベル上げが大事ではある
 
 
 
だが、発達障害であっても一般枠で問題なく仕事ができる人にとっては、あまり意味がない・・・
適当にアルバイト、派遣でもしたほうが、お金ももらえるし経験になる
失業保険300日を一通りもらってから就活したい場合でも、なんか時間のかかる資格を独学で勉強するか
ハローワーク職業訓練に行ったほうがいいかもしれない
 
 
 
 
このように、発達障害の人でもあっても就労移行支援事業所に行ったほうがいいかどうかは、その人によって異なる
 
まあ行って良かったと思えるかどうかは、結局のところはやる気次第という気はします
「よし、就労移行支援事業所に通うことをきっかけにして、絶対に次は就労を成功させるぞ!」
「行くのは10:00~15:00まででいいんだ!じゃあそれ以外の時間はゲームをやりまくれるな!」
と、どっちで考えるか?ということ
 
まあ自分はかつては後者の考えでやってたときがあって、それで大失敗したというのはありますが・・・
 
 
 
 

当事者会の意見は必ずしも正しいとはいえない

 

当事者会の就労移行支援事業所を勧める風潮について

 
 
ところが、発達障害の当事者会や自助会では
「なかなか就労がうまくいかないので困っています・・・」
という人には
「就労移行支援事業所に行けばいいですよ、LITALICOワークス、ウェルビーなどがあります」
 
と、とりあえず就労移行支援事業所を勧める風潮があるけど、これってどうなんだろうな?とは個人的には思う
 
 
まあ下(当事者会)に来ている時点で、上(一般社会)で通用するだけのコミュニケーション力などがないことが多い。だからコミュニケーション力を含めて、いろいろと長期就労する力を就労移行支援事業所で身につけてから就労しましょう、というのは間違いではないが・・・・
 
これに限らず、当事者会の意見というのは必ずしも正しいとは言えないものも多いので注意したい
 
 
発達障害の人は、障害の悩みを一人で抱え込むのではなくて、当事者会に参加してみんなで悩みを分かち合うべきなんだ!」
とはよく言われるが
 
「上(一般社会)に行ける人なら、上(一般社会)に行ったほうがいいんじゃないか?
というか、それって自分が主催する当事者会にもっと人が来てほしいから、そういう風潮にしたいだけのポジショントークなんじゃないの?」
と思うことも多い
 
 
 
 

その人にとっては良かったことでも、自分にとっても良いこととは限らない

 
 
 
まず、同じ発達障害といっても、その人と自分とでは別の人間なので、その人にとっては良かったことでも、自分にとっても良いこととは限らない
 
「どうせ自分なんか何やってもダメだよ・・・・。それもやるだけムダだよ・・・・」
と自暴自棄になるよりは
「じゃあ自分もちょっとやってみようかな」
と参考にしてみる、やってみることは大事ではあるけど
 
 
 
 
 

逆転現象

 
 
そもそも、発達障害の人といっても、社会的な立場や立ち位置も人それぞれ違う。にも関わらず(空気を読めない特性もあって)好き勝手に言ってしまいがち
 
 
たとえば、以前に参加した当事者会ではこのような会話があった
 
Aさん「転職エージェントさんの厳しい指導によって転職できました。前職では契約社員だったので、契約を更新されるかどうかの恐怖があったので、正社員に転職しました。一応、社長賞をこの前にもらいましたが、仕事でミスが多くてやっていけるか不安です。どうすればいいですか?」
 
Bさん「自分はハローワークの指導員の方とよく相談していました。そのおかげで転職できました。だから転職エージェントだけでなく、ハローワークも活用するといいですよ。
正社員でもあまりに業績が良くないと、自主的に辞めさせる方向に持っていかされることもあるので気をつけたほうがいいと思います。
仕事でミスにならないためには、上司に作業を行う前に報告・連絡・相談をしっかり行って、自分で勝手にやったことになって、自分の責任にならないようにすることです」
 
といった多くの意見による議論がかわされる、素晴らしい当事者会だった。おわり
 
 
・・・・・・・・と言いたいところだが・・・・・・・・
実際にAさんとBさんの仕事風景を見たわけではないので、あくまでも自分の推測、妄想でしかないが・・・・・・・BさんよりもAさんのほうが優秀だと思う
 
 
Aさんは仕事のミスが多くてやっていけるか不安、とは言ってる
だが、転職エージェントさんの厳しい指導を乗り越えて入社しているということは、入社するのが難しいようなところに入ってる可能性が高い。しかも正社員だ。こういう入社が難しい仕事というのは、条件が良い代わりに、障害者枠でも一般の人と同じぐらい業務をこなさないといけないところが多い。そんな厳しい環境で社長賞をもらえているというのは、相当優秀なんじゃないかと思う。少なくても、本人が思っている以上に職場では評価されているんだと思う。なろう作品じゃないんだから、実際のそういう難しい仕事でミスなくやるというのは(理想ではあるが・・・)現実的には難しいしね
 
 
一方のBさんはハローワークの職員の意見を参考になる時点で、そこまで入社が難しい会社ではないんじゃないかと思うので、仕事もそんなに難しくない可能性がある
(事業を拡大している大企業の障害者なら、意外と簡単に入れる場合もあるので一概には言えないが・・・)
Aさんは社長賞をもらうほと優秀なのに
「正社員でもあまりに業績が良くないと、自主的に辞めさせる方向に持っていかされることもあります。」
などという的外れなアドバイスをしていますし
「上司に作業を行う前に報告・連絡・相談をしっかり行いましょう」
なんざは当たり前で、難しい仕事はその上でどうするのかが求められる。自分で考えて自分で動かないといけないケースも多いですし。
 
 
以上のことを考えると、優秀なAさんに、そこまで優秀でもないBさんが、あたかも自分のほうが仕事できるみたいにアドバイスしている、という逆転現象が起きていたんじゃないかと思う。あくまで推測だが
 
 
 
有能な人というのは、職場でも重宝されるぶん、
「悪いんだけど、この仕事もお願い」
といろんな仕事を任されるケースが多いので、業務過多になって仕事がなかなか終わらず
「いやー、仕事を終わらせれなくてしんどいです・・・・」
自己肯定感が低くなりがち
また、有能な人は気づく力が高いことが多いので
「あの仕事は自分がもっとああゆう風にやれていたら、もっと順調に進んだと思うんですけど・・・」
反省することも多い
 
謙虚でいるほうが他人から好まれやすいことをよくわかってるから、他人と仕事の話をするときも
「いやー、自分なんて全然ダメですよ・・・」
謙虚に話すことが多い。能ある鷹は爪を隠す
 
 
一方で有能でない人は、そんなに仕事を任されないからミスも少ないので
「仕事なんて、上司に言われたことだけをやっていれば楽勝ですよw」
と妙に自己肯定感が高いことも多い
 
当事者会ではそのテンションの差がそのまま出て、有能な人より有能でない人のほうが声が大きくなるという、逆転現象が起きていることがままある
 
当事者会で会の中心にいる人がそんなに有能じゃなくて、言ってることもあんまり参考にならなかった。会ではあまり目立たずひっそりしている人が意外とまともな人で、話していると結構参考になる、というケースも多い
 
 
「悪貨は良貨を駆逐する」「悪が正義を討ち滅ぼす」という現象は、当事者会でよくあることだ
 
 
「嘘を嘘と見抜けない人は(掲示板を使うのは)難しい」じゃないけど
「この人の言っていることは本当に正しいのか?自分にとって有益な情報なのか?」
という情報の取捨選択ができないと、当事者会を使うのは難しいのかもしれない