講談社から2019年12月17日に発売された、著者は冠地情さん(「イイトコサガシ」代表)、漫画はカナシロニャンコさんで描かれた「発達障害の人の会話力がぐんぐん伸びる アイスブレイク&ワークショップ」を読ませていただいたので、概略を述べさせていただきます。
イイトコサガシはコミュニケーションに生き辛さ(苦手意識・経験不足)を抱えている人たち、そしてその関係者(ご家族や支援者)、更にはもっともっとコミュニケーションの幅、経験、可能性を増やしたい人のためのワークショップを中心とした会だ
内容
約200ページの内容で、5つの章にわかれている
第1章 ワークショップって何だろう?
第2章 会話の準備運動 アイスブレイク
第3章 自己紹介のワークショップ
第4章 気持ちを見つめるワークショップ
第5章 会話を楽しむワークショップ
第6章 創造力を伸ばすワークショップ
という内容となっている
はじめに
「イイトコサガシは全国でコミュニケーションの力を伸ばすワークショップをしている」
「発達障害のみならず、人付き合いが苦手な人はたくさいる。特に会話が苦手だと、社会経験が不足しがちになり、ますます生きづらくなるという悪循環が起きる・・・。けれども現実社会でノーリスクでコミュニケーションを試せる場は意外とない・・・。だから安心してコミュニケーションを試せる場として、イイトコサガシはワークショップを開催している!」
「この本には僕らが10年間で創りためたワークショップのノウハウを詰め込みました!
コミュニケーションは一人では試せません。読者のみなさんにワークショップを実践して支援に活用してくれたら嬉しいです!」
という、イイトコサガシのワークショップの活動と、この本はそのワークショップのノウハウが書かれた本である、と紹介されている
第1章 ワークショップって何だろう?
一般的に「ワークショップ」とは、参加型の体験講座を指す
そして「試しただけで大成功!」である。できないなりにやってみよう!そう考えて実行した時点で大成功だ!
レクリエーションは主催者側が用意して、参加者はできたものを楽しむだけだが
ワークショップはその場にいる全員で創り上げるものだ。与えられるがまま、ではなく、一人ひとりがやる気を持って能動的に参加することが大切になる
と、この章ではワークショップとは何ぞや?ということについて書かれている
第2章 会話の準備運動 アイスブレイク
参加者の緊張や警戒心をほぐしてのびのびと参加してもらうために、会話の準備体操としてまずはアイスブレイク(氷を砕く)を行う。
アイスブレイクの方法として以下のやり方が紹介差れている
イイトコサガシボキャブラリーコレクション
自分が応援で使いたい言葉や、こんな言葉で応援されたら嬉しいと思う言葉を一人ひとり考えて発表する
それぞれホワイトボードに書き出していく
そうして書き出された言葉をみんなで使ってみる
相手を褒める、褒められた言葉を謙遜せずに受け取る、というアイスブレイクだ
トリプルインパクト
ボールをいっせいにぶつけ合って、他人と呼吸を合わせる
エアー手裏剣
手裏剣を誰かに投げて、それをしっかり受け取る
「相手にしっかり意思を投げる、また相手からの意思をしっかり受け取る」というコミュニケーションの基本を行う
ウェーブ
スリーアップ
5人組で行い、5人のうち3人が立った基本の状態をいかに空気を読んで作り出すことを目指す
マジョリティを探せ
「遠足で持っていくものといえば?」
「沖縄で想像するものと言えば?」
などの問いで、なるべくみんなが同じ意見になるように「いっせいのーで」で一斉に言って発表する
フィーリングメモリーズ
「夏」「山」「旅行」「ゲーム」など、思い出話ができそうなキーワードをみんなで挙げていって、それを全員で読み上げる。それから1人が1つのキーワードを選んで30秒話して発表していく
You!!
6人組ぐらいで行い、ファシリテーターが「〇〇さん!」と手をかざして誰かを指名する。指名された人が違う人を手をかざして指名、また指名された人がまだ指名されてない人を手をかざして指名して、一巡をめざす。
相手との確実なコミュニケートするのを目的とする(慣れてきたらいろいろルールを追加する)