前回の内容
「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず(敵と味方の情勢を知り、把握していれば、何度戦っても負けることがない。)と孫子の兵法の最初にあるように、発達障害の人が社会で生きていくには発達障害の価値観と一般社会の価値観の2つ両方ともの 価値観を身につける必要がある」
と述べさせていただきました。
まずは「己を知る」という「発達障害の価値観」を知ることが大事である。当事者会に参加することによって、
「自分が他人と同じようにできないのは、発達障害の特性によるものなんだ」
と理解し、「発達障害とは?」「障害とは?」「障害者とは?」と理解を深めることが大事である。やはり一人で生きづらさを悩みを抱えていないで、当事者会に行って悩みをわかちあうというのはとても大切である。
「一般社会の価値観」を身につける
このように当事者会に行けば、発達障害の生きづらさが解消されて、すべてが解決する。
・・・・・・と言いたいところだが、必ずしもそうではない。
やはり「発達障害の価値観」を知った上で、今度は「一般社会の価値観」のを知っていく必要がありますね。
「当事者会ではこれが普通だけど、一般社会ではアウトなんだな」
「一般社会ではもっとこういうことに気をつけないといけないのな」
ということわかっていかないといけないですね。
まあ
「当事者会や発達障害の界隈だけに参加して、楽しくやれればそれでいい」
という人はそれで十分ですね。けれども
「当事者会だけじゃなくて、一般の集まりにも参加できるようになりたい」
「発達障害の界隈だけじゃなくて、一般社会でも通用するような人になりたい」
「現状維持じゃなくて、殻を破ってもっと成長していきたい」
と思うのであれば、「一般社会での価値観」も知っていく必要ありますね。
それに、現在障害者の法定雇用率は2.2%(国と地上自治体は2.5%)である。
(障害者雇用の関連子会社は別にして)障害者枠で働いていたとしても、1000人社員がいる会社ならば、そのうち22人しか同じ障害者枠の人はいない。また50人しか社員がいない会社ならば、そのうち1、2人しか障害者がおらず、残りの48人以上は定型ということになる。
やはり障害者枠であっても、定型の人が多くいる中で仕事をしていくことになるので、円滑に仕事を進めるためにも「一般社会での価値観」を知るのは大事ですね。
あと障害について考えを深めていくのは良いことだ。しかしながら
「発達障害とは?」
「障害とは?」
「障害者とは?」
と変に考えすぎても、
「発達障害の人はいろいろな生きづらさをかかえて生きているのだから、税金を全額免除して、毎月100万の特別給付などの特権があってもいいはずである!!」
とか、かえって視野が狭くなって極端な考えになってしまうときがある。
また
「どうせ自分は発達障害なんだから何もできねえよ。頑張るだけムダだよ」
など障害にとらわれるあまりに自分の可能性を狭めてしまうときもある。ここは少し気をつけていきたいですね。
自分はそうならないように、当事者会に毎週行ってたときは、毎日スポーツニュースのアプリを読んだりして、なるべく考えや価値観が偏らないように気をつけていましたね。
当事者会の帝王
以上のように、当事者会に行って「発達障害の価値観」を知るだけではなく、「一般社会の価値観」を知ることも大事である。
しかしながら発達障害の障害の特性に「想像力の欠如」というのがあり、他人の気持ちを推し量るのが苦手なので、「一般社会の価値観」をどう身につけるか?が大きな壁という気はしますね。
ここの壁がかなり大きいですね。
当事者会や自助会によりますが、基本的に当事者会では問題なく参加できていても、
「ここで問題なく会話に参加できているし、当事者会以外でもイケるだろう」
と思って、普通の社会人サークルに参加すると、全く通用しないケースも多い。
プロ野球の用語で、2軍では活躍しても、1軍ではなかなか活躍できない人を「二軍慣れ」「二軍の帝王」と呼ぶこともあります。
これと同じように、当事者会や自助会に参加して、誰ともコミュニケーションを取れる気になっていると、当事者会や自助会では良くても、一般社会ではなかなか通用しない「当事者会、自助会慣れ」「当事者会、自助会の帝王」になってしまう恐れがあるので、気をつけたほうがいいですね。
発達障害の人間が「一般社会の価値観」を身につける方法
定型と同じ以上にできるものを見つける
では「当事者会の帝王」を脱して、一般社会でも通用するような人間になるにはどうすればいいんだろうか?
まずは
「自分は発達障害の症状で、定型の人にはできることができなかったり、難しいことも多い……。けれども、これに関しては定型の人と同じくらい、互角か互角以上にできるぞ!」
というのを見つけることですね。
やはり発達障害の人は他の人よりできないことが多いので、
「自分は定型の人よりすべてで劣っている……」
と障害云々以前に、気持ちの面で完全に負けているケースも多い。そうなるとなかなか何をやってもうまくいかない。
「これに関しては定型の人よりできる。互角か互角以上にできる」
というのがあると、
「なんだ、定型って言っても大したことねえな。定型って障害がないから、自分より能力が上のクセにこんなこともできないのかよw定型って障害がないから、自分よりすべてで上回ってるかと思ってたけど、そうでもないのな」
と自己肯定感ができて、気持ちに余裕ができる。
そうなると
「自分なんて何もできないと思ってたけど、そんなことないんじゃ?」
とチャレンジする意欲も湧いてくる。
気づく力を磨くこと
次に「気づく」こと
発達障害と定型との社会性における1番の大きな違いは「気づく力」の差ですね。
発達障害の人は
- 自分の話したいことだけ一方的に話して、人の話は聞かない
- 仕事の話をしていたと思ったら、急に鉄道の話を始めるなど、話が飛ぶ
- 相手が興味がなく聞く気がなくても、一方的にずっと話してしまう
- 相手にわかりやすいようにうまく説明ができない
- 1から10まで全部話そうとして、まとまりがない話になったり、長ったらしい話になってしまう
- 他人のことを平気でディスるくせに、自分のことをディスられたら逆ギレする
というところで、うまく他人とのコミュニケーションが取れない人が多い。
このように他人とのコミュニケーションがうまくいかないのは、
- 文章力が低い
- 対人恐怖症や強迫性障害などで人前で話す極度に緊張していまう
というケースもありますが、基本的に「気づく力」が低いからですね。
定型の人は話しながら
「おっ、なんか興味を持ってきてくれてるな」
「なんか適当に聞き流してるだけだな」
「今、顔をしかめたな・・・。なんかまずいこと、気に障ることでも言ってしまったのかな・・・。」
「なんかこの話に食いつきがいいなwこの話に興味があるんだろうか」
など結構、相手を観察して話している。
一方で発達障害の人は、視野が狭く、そういうのをせずに自分の思ってることだけを話してしまう。だから上記の問題が出てしまう。
なので定型の人のように、相手を観察しながら話すようにすればよいのである。終わり。
・・・と言いたいところだが、それがパッとできたら苦労しない。
それがなかなかできないから「空気が読めない」「ウザい」「自分のことしか考えないジコチュー」「お前なんかいないほうがいい」と呼ばれて対人関係などでうまくいかず苦労してしまう
【MV full】 UZA -Dance ver.- / AKB48[公式] - YouTube
天井の気持ちになってみる
ではどうすればいいのだろうか?
とりあえず自分以外の気持ちに立ってみよう。
まずは天井の気持ちになってみたらいいんじゃないですかね(意味不明)
STU48 舞Q 【まるで天井になった配信】 天井アングルで見る開脚 - YouTube
次に歯医者に施術されたり、キャリーバッグに入れられたり、タンスに入れられたり、枕になったり、夜ふかしして怒られる子供の気持ちを体感しよう
STU48 舞Q歯医者配信 意外とありそうでなかった発想 結構クオリティー高いw - YouTube
美容院に行った気持ちになってみよう
STU48 舞Q発想がすごいな 手術の次は美容院かw - YouTube
いろんなことに興味を持って見てみること
とりあえず「いろんなことに興味を持って見てみる」ことが大事だと思いますね
昔に養老孟司の『バカの壁』という本を読んだことがあるが、道端に宝クジが落ちていても普通の人は
「なんかゴミが落ちてるなあ」
ぐらいで気にも留めないが、日ごろから宝くじを買ってる人は
「もしかしたら当たりクジかも!?」
と拾ってみる。
このように人間は興味あるものが視野に入ったら反応するが、関心がないものには視野に入っても気にも留めないものである、と語っていた。ゆえにいろいろ興味や関心を持つことが、自分の視野を広げることにつながるといえる。
このようにいろんなことに興味を持つことですね。たとえば
「今年の冬はとても寒かったが、今月は昼間は暑いと感じるほどの暖かい気候の日もあるなあ」
「街頭の木々も、冬は葉が落ちて裸木になっていたが、桜が咲いて今は葉っぱになってるなあ」
「駅前に新しく店がオープンしたし、一回行ってみようかな?」
「コンビニでなんか変なカップラーメンが売られていたけど、一回買って食べてみようかな」
「イチローが引退か・・・お疲れ様でした。43歳までずっと現役を続けて、多くの偉大な成績を残せたのはなんでなんだろう??」
イチロー選手現役28年間の軌跡【ルーキー時代~引退まで】 - YouTube
「プロ野球とJリーグが開幕か。今年はどこが優勝するんだろう??」
移籍などを反映させ2019年シリーズをシミュレーション【パワプロ2018】 - YouTube
とか周りとかニュースとかに興味や関心を持つことですね。
「そんなことどうでもいい。早く家に帰ってゲームやらなきゃ」
「そんなこと知らねーよwそんなことを考える暇があったら時刻表でも読むよ」
とかだと、なかなか気づく力は増えてこない
(まあ発達障害の興味があることには寝食を忘れて熱中するのを利用して
電車が好きなら、そこから派生して駅の特徴とか駅弁とか駅前の町並みとか、または車やトラックとか飛行機とか、電車から派生していろいろなことに興味をもって見識を広げていく、というのもありかもしれない)
そうやっていろんなことに関心とか興味を持ってるうちに、人と話すときも
「自分の言いたいことだけ一方的に話してちゃダメだな。相手が困惑したり迷惑してしまう。これからは気をつけよう」
「自分だけずっと話していたせいで、他の人があまり話せなかったな・・・。悪いことをしたなあ・・・」
「自分の話をあまりわかってもらえなかったなあ・・・。もっとわかりやすく説明できるようにならないとダメだなあ」
「プロ野球ファンの前で『やきうとか何が面白いんですか??あんなもん何が面白いのか全然わからないですよwそんなことやるんだったら電車を見たり、時刻表を眺めたほうがずっと楽しいでしょw野球中継を見るとか、ぶっちゃけ時間のムダでしょww』とか野球をディスったせいで、場の雰囲気が悪くなってしまった・・・。5ちゃんねるの芸スポ板じゃないんだから今後は気をつけよう・・・」
とか、これまで気づけなかったことにも気づけるようになってくる。
そこから自分なりに考えて、また新しいことに気づく、とどんどんいろいろ気づいたり、考えられるようになってくる。
とにかく新しいことに興味をもって、新しい見識などを得ることが、新しい視点を得ることにつながる。そうやって人間は視野を広げていくものだと思いますね。
特に発達障害の人のは自分に興味がないこと、意味を見出せない事柄は「無意味」「無価値」「時間のムダ」と考えてしまいがち。けれども、ムダなこと、無意味だと思っていたことが、のちのちに何らかの形で役立ったり、「電車のダイヤは・・・」とかだけじゃなくていろんなことを考えたり、気づける人間になるのに大事なことだったりしますからね。
逆に電車や鉄道のことしか考えず「とにかくいい写真を撮ろう」と他のことを全く考えないと、こういう人間になってしまいかねない
定型と発達障害の人間の思考の違い
そうやって気づく力をつけていって、発達障害の人と定型の人の思考が違うことに気づくことが大事ですね。
定型の人は結構周りを気にする(定型でも気にしない人もたまにいるけどね)。だから人前で何かするときとか、特に発言するときは
「自分はこう思う」
「けどこれを言うと相手や周りからこう思われる」
「だからこう言おう」
と考えてから発言する。
ところが発達障害の人は
「自分はこう思う」
「だからこう言う」
と周りを全く考えずに、自分の思ったことをそのまま言ってしまう。
これは良く言えば
- 純粋
- 無垢
- 自分の気持ちに正直で裏表がない
と言えるが、これは場合によっては、
- 場の雰囲気をぶち壊す
- 自分の意見を押し付けることになってしまう
- 気を使えないから、他人の気持ちを踏みにじったり傷つけることになってしまう
こともありますね。
そうなると「自分勝手」「自分の都合しか考えない」「協調性、チームプレーができない」「自己中心的、ジコチュー」「人間のクズ」「ゲスの極み」と呼ばれることになりますね。
また自分だけの思いつきだけの考えしかできないので「幼稚」「考えが浅い」という人が多いですね。
全員が全員ではないですが、まだ大卒の人は勉強ができるんで、多少複雑な思考ができるし、物事を理解する力があるから「なんで自分は悪く言われるのか?」と考えられる。
それにサークルとか趣味で定型と仕事以外で関わることも多いから、なんとなく上記のことがわかってる。けれども高卒の人だとそこらへんがわからないので難しいですね。
ボードゲームをやること
個人的には発達障害の人がそういう空気を読めるようになるにはボードゲームをやるのがいいと思います
う
自分は大学時代に「汝は人狼なりや」というボードゲームをやって、そのおかげですごく成長できしましたね。
このゲームは
「相手は味方なのか?敵なのか?」
「この人は嘘をついているのか?本当のことを言ってるのか?」
というのを見極めるのが大事だったので、そこらへんを見極める洞察力は身につきました。
あと他の人から
「この人の言動は怪しいな。なんか嘘をついてるんじゃないか??」
と思われるとダメなんで、
「自分は他の人からどう見えてるのか?どう思われてるのか?」
とかはすごく考えるようになりましたね。
それとチームでゲームをするので、あまり自分勝手に動くとチームに迷惑になってしまうので、「どう動けばチームが勝てるのか?」「どうすればチームに貢献できるのか?」というところをしっかり考えるようになりましたね。
ゲームや役職によっては、自分の行動1つでチームが勝ったり、負けたりすることもある。自分のせいで負けると、チーム全体が負けになるんで、本当に申し訳ない気持ちになりますね。
麻雀とかだったら負けても自分1人だけなんで「コノヤロー、やってられるかチクショー」で済むけど、自分のせいで他の人に迷惑がかかるのは悲しいですね。逆にうまく勝てたときはみんなで勝ちをよろこびあえるのはいいですね。一人でやるより、みんなで力を合わせて成し遂げるという、その素晴らしさを体感できたのは良かったですね。
このように人狼というゲームを通して、いろんなことを学ばせていただけましたし、ここで得たことは社会で仕事する上ですごく役立ってますね。
まとめ
やはり当事者会に参加したり、発達障害の人のツイッターをフォローして読んだりリツイートするだけでは、「一般社会の価値観」はなかなか身につかないですね。そこをどう補い、どう身につけていくかが大事ですね。
「どうせ空気なんか読めねえよ」
「どうせ発達障害には無理だよ」
とかじゃなくて、
「どうしたらできるんだろう??」
という問いやクエスチョンを続けていくことが大事だと思いますね。
それにしても、当事者会の上記のように周りに気を使えないために、職場の人間関係がうまくいかずに悩んでいるにもかかわらず、
「どうしたら場の空気を読めるようになるか?」
「どうしたら人に気を使える人になるか?」
という根本的なことへの話し合いがほとんどないのはわからない。